コロナ禍にあっても食パン専門店「銀座に志かわ」の新店オープンは続いていました。
理由は、コロナ前からの商談であり、それぞれの店舗契約の関係があったからです。別の要因もあります。コロナ禍で外食の禁止があり、テレワークがあり、それぞれが日々の生活で束縛を受けながら頑張っている「自分へのご褒美」等の販売要因もありました。
また、銀座に志かわのビジネスモデルが「テイクアウト」であったのも功を奏したのでしょう。他業界から見れば、順調に新店オープンが続いていました。
私の性格からいえば、このようないい状況の時こそ緊張する傾向があります。この「人プラ」でも何度となく掲載されている言葉に「好事魔多し」があります。だからコロナ禍にあっても次々とオープンする状況を見て、私は好調の裏に「何が魔を刺すのか」という気持ちが「銀座に志かわ」ビジネスを考える時、いつも心の隅にありました。
私の手元に「全国拠点長会議」のレジュメがあります。今年になってから「全国拠点長オンライン会議」と「オンライン」という文字が加わっています。
6月6日の「全国拠点長オンライン会議」のレジュメに、この時の私の考えが書かれてあります。
「1.創立50周年記念事業の目的」として、第1ステージ・第2ステージ・第3ステージと書かれていました。即ち、50周年という大きな節目に事業をする目的がある、との話です。
「人生には上り坂、下り坂、まさかの坂」がある。誰も予測不能な出来事のまさかの坂、が現在だ。創立50周年記念事業の目的の第1ステージは、東京オリンピックイヤーとOSG50年が重なって、販売促進も兼ねて飛躍する予定であった。3年前から準備している事業目的です。何もなければ、この第1ステージだけで終わっていました。ところが、現在は第2ステージに移行している。
50周年をコロナによる手荒い歓迎を受けて、それならそれでやってやろうじゃないか、と「貢献・告知・元気」の3本勝負をしているのが現在進行中の創立50周年記念事業の目的です。目的が変わりました。3年前からの準備は何の役にも立ちません。
しかし、第3ステージがある。いわゆるこれからの事を考えるのがこの大きな節目の50周年の目的に入れなきゃならない。コロナ禍での社会背景において、テレワークに対する環境が出遅れている。これを取り組む必要があり、この事が創立50周年記念の事業目的になるかもしれない。
このような話を「全国拠点長オンライン会議」で話しました。
新型コロナ感染拡大において、大きな節目の50周年にテレワーク(在宅勤務)の働き方を考えなければならない、という事を説明しました。
テレワークは「tele=離れた所」と「work=働く」を合わせた造語、と改めて説明。
実は、1970年代米国でエネルギー危機と自動車通勤による大気汚染の緩和を目的にこのテレワークが広まったとの事です。あわせて、パソコンの普及や女性の社会進出もその事に後押しした現象です。主として、ITを利用した「在宅勤務」が普及したわけです。
今回のコロナ感染がパンデミック状態になってから、このテレワークが採用されました。よって、この事が実のところ「創立50周年記念事業」の目的にあるのではないか、と「全国拠点長オンライン会議」で話しました。3年前からの計画や今年になってからの全く考えていない創立記念事業にこの「第3ステージ」があるのではないか、と説明しました。
6月のレジュメの最後に、
「新型コロナウイルスショックが世界に与えた影響は計り知れない。それぞれの会社の取り巻く環境が大きく変わった。どの会社も『変化適用能力』が試される。これからの時代に個人もそれを試される。コロナ前の『普通』という事が通用しなくなった。
新常態(ニューノーマル)時代にどのように生き抜くかを試されている。乗り切れば生き残れる。乗り切れなければ生き残れない」
と書きました。文字で改めて記載したのは、全員に理解させるためです。
よくよく考えてみれば、これはコロナ禍という異常事態でなくても問われる問題です。
「生き残れるモノとは、最も強いモノでも、最も大きいモノでも、最も知的なモノでもない。最も変化に適応できるタネだけが生き残れる」。これは、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの格言です、と会議の終わりに締めくくりました。
言うは易く行うは難し。私は、この時までも正に迷っているのです。先が見えないということに迷っているのです。そして、目に見えないコロナウイルスという恐怖に迷っていたのです。
そして遂にOSGグループに感染者が出るわけです。
「好事魔多し」の「魔」と対峙するわけです。
次回、2月20日に掲載します。
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