代表取締役 湯川 剛

前回に続き、もう少し2021年1月頃のお話をしたいと思います。
1月8日は第1金曜日(年末年始のお休みを除く)なので、2021年初めての役員会になります。この日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、来月7日まで首都圏1都3県に緊急事態宣言が再発令しました。午後8時以降の外出と飲食店の営業自粛、通勤も7割削減という内容です。これを受け、OSGも特に通勤を避ける対応を指示しました。
たぶん、今後関西エリアも対象になるので、決算月の1月ですが政府の要請を守りながら進めていくことにしました。僅か4年半前の話ですが、おそらく多くの方が忘れていると思います。私は何故忘れないのかな、と自問自答しましたが、答えはやはり当時は「先が見えない不安」に私の中で何とも歯がゆい思いをしたからです。本人の努力や会社の創意工夫だけでは乗り切れない「外圧」みたいなものがありました。
当時、多くの経営者は基本的には「動かない」「他社の様子見をする」的な対応でしたが、中々私にはそれが出来ず、その分もがいていました。

今年初めの役員会で、2つの事を役員に話しました。
1つ目は「2021年の行方」についてです。改めて、昨年の50周年という大きな節目に全世界が震撼するコロナショックを受けた事に対して「もしかすると、会長は倒れるのではないか」(2020年3月役員会での話)というぐらいに働きました。その結果、コロナショック禍の中において「100億企業」を挑戦し、今月の決算で実現目前になっています。それだけに、役員の思考力や行動力を強く求め、ブックオフが天敵メルカリと手を組んだ発想が2021年に求められる。また、SDGsが今後切り離すことが出来ず、「廃プラ問題を真剣に考える」事を伝えました。

2つ目は、今年で「株式上場20年」について話しました。
初出式での話を繰り返し役員会で、特にこの10年はほとんど「IR活動していなかった」と私自身の反省を伝えました。それに伴い「第10次4カ年計画」(2021年2月~2025年1月)を改めて発表しました。

翌日の全国拠点長会議においては、「創立50周年・100億企業」実現が間近に迫っている事を中心に話しました。決算月の1月に「首都圏1都3県に緊急事態宣言」が発令されたがこの条件の下で、全員の力でやり切ろうと話しました。
そこで私は、何を思ったのか「成功しないタイプの社員さん」について話しました。
要約すると、成功しないタイプとして以下の3つを挙げました。
 ① 怒られたら不貞腐れる
 ② 言われたことしかやっていない
 ③ 僅かな労力で最大の成果が得られると本気で思っている
これは、私の体験から来た話ですが、「絶対」と言い切ってもいいです。

なにも、失敗しないタイプの社員さんを言っているのではありません。ズバリ「成功しないタイプ」について話しています。ただ、問題はもう少しで100億円売上に迫っている中で何故このような話をしたのか、当時の事はあまり覚えていません。
もしかすると、③の「僅かな労力で最大の成果が得られると本気で思っている」を言いたかったのかもしれません。このようなタイプの人は、社内外において嫌と言うほど見てきました。最後の箇所の「本気で思っている」というところが厄介です。最後の追い込みに対して、気を引き締めるために話したかもしれません。ただ、OSGでは毎年仕事始めに「LMPノート」(OSGが生み出した文化遺産と勝手に思っています)に夢を書くのですが、実現しない人のほとんどがこのタイプの人です。
行動経済学で言う、正常性バイアスで「まだ自分は大丈夫。なんとかなる」というタイプです。

2021年1月30日土曜日。体重75.4Kg。私のその日の日記です。
翌日が日曜日なので、この日の18時に役員ミーティングが大阪本社・銀座本店・川越工場をテレビ会議で繋ぎ開催しました。100億がほぼ実現した事を伝えました。
冒頭、私は
「自己責任を持つと強く生きれる」「大切にしているものがあれば、人間は強く生きれる」と話し、私の場合「それはOSGだ」と話しました。社員さんを守っている自負が自分にはある、とその日の日記に書いてあります。

【追記】
2021年1月決算月に「首都圏1都3県に緊急事態宣言」が早々に発表されました。
なんとか成功に導くためにも「僅かな労力で最大の成果が得られると本気で思っている」事を排除し、自分たちが持っている能力を最大限に発揮し、なんとか目標を実現したいと本気に思った事がコロナ禍の中で実現した成果だと思っています。
そのような意味において、創立50周年という大きな節目に目標実現した事は、次なる50年に向かって1つの事例が出来たと、少しでありますが自信が付いた2021年1月30日でした。

次回、7月10日に掲載します。

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