代表取締役 湯川 剛

2021年8月2日月曜日。
この日は、40年以上続けている信貴山千手院の参拝日です。その1か月前の7月3日の参拝日に、大阪プロレスのゼウス選手と参道でばったり出会いました。彼は「湯川会長、この度大阪プロレスのオーナーになり、信貴山千手院で得度を受け、田中管長の弟子となりました」という話を聞きました。当日、その事を田中管長にも確認しました。私がこのゼウス選手、すなわち大林社長とのこの時の出会いが、後々食パン専門店「根上」オーナーとの出会いに繋がっていくわけです。

その週の7日土曜日、恒例の「2021年夏合宿」初日を迎えます。
ちょうど3年前の夏合宿で「食パン専門店をOSGグループでやる」を発表しました。
その時の合宿会場は信貴山千手院3階大広間で行いました。私は今も、その時の印象をはっきり覚えています。「食パン専門店をやる」という発表に、参加者全員がざわつくこともなく、むしろ「???」のマークが合宿会場の空気を作っていました。もし「心の声」が聞こえるなら、「なにそれ」「はぁ?」と会場全体の明かりが少し暗くなった感じがするぐらい、突拍子もない事を言ってるな、という空気感でした。さらに「銀座仁志川」創業メンバーである髙橋社長や宮崎社長が参加している事も影響したのでしょうか。合宿参加者の皆さんには、部外者の参加に戸惑った感じでした。宮崎社長の食パン市場の戦略を明るく話す事が、かえって暗さを感じさせたのかもしれません。そんな思い出の夏合宿は、何年経ってもその時の風景が浮かんできます。夏合宿イコール銀座仁志川の事業発表における重い空気感。この夏合宿も、3年前の事を思い出します。

さて、2021年の夏合宿が開始されました。合宿のテーマは「限界突破」でした。
私の記録帳を見ると、「6分間で上期の総括をする」と書いてあります。OSGでは、銀座仁志川以来、新規開発件数や新事業が「ゼロ」であり、これがOSGの経営に影響しているとの事。その原因は、やはり幹部の新規開拓や事業の「持ちネタ」が圧倒的に少ない事にあるとなりました。
その後、今期の課題である「OSGの強みを活かして社会の課題を解決していく」を改めて確認しました。具体的な話として、廃プラ問題をOSGの強みで解決できないか、という1点に絞って行う事になりました。
特にナノプラスチック問題について、私から改めて説明しました。
細かなナノプラスチックが魚を経由して人体に入る事による海中の廃プラ問題や大気中に漂うマイクロプラスチックが、人体に入っても分解されず蓄積されている実態を説明しました。よって、この廃プラ問題こそが社会の問題であり、それを「OSGの強みを活かす」事で「社会の問題を解決していく」と話したわけです。

さて、2021年夏合宿の時、3年前の2018年の夏合宿で「食パン専門店」事業を行うと説明した時、それ以降の銀座仁志川快進撃は、その当時誰も想像していませんでした。もちろん、私自身もその中の1人です。

同じように、この時の2021年の夏合宿の4年後の2025年夏。

大阪・関西万博でOSG無償給水機が連日話題になりました。具体的には、NHKをはじめ大手キー局系テレビ局や大手新聞紙、ネットニュース、さらに個人のSNSで無償給水機の事が取り上げられました。長蛇の列により、ネットニュースでは「給水機パビリオン」と言われるほどになり、熱中症問題に大きな貢献をしました。無償給水機によるペットボトルの使用が大きく削減されました。給水カウンターによると、なんと12,065,111回に達していました。しかし私たちは、ただ単に無償給水機を提供しただけではありません。実は、これにより大きな二次的効果が生まれました。
万博事務局の発表によりますと、大阪・関西万博会場で予想していたゴミの量が、当初予定より、なんと50%削減されたとの事です。CO2排出量削減は約978,480kgに達しました。文字通り「OSGの強みを活かして社会の課題を解決していく」を具現化したものです。この事は、2021年夏合宿からスタートしたのです。
もちろん、21年夏合宿時点で、私を含め参加者全員が4年後の評価を誰も知る由もありません。そのような意味において、2021年夏合宿は意義のある合宿でした。

これまでは夏合宿といえば「食パン専門店」の事業発表を思い出しますが、これからは夏合宿といえば「OSGの強みを活かして社会の課題を解決していく」となるぐらい、この合宿から始まったわけです。


次回、12月10日に掲載します。

ご意見、ご感想は下記まで
support@osg-nandemonet.co.jp