代表取締役 湯川 剛

21年下期は、夏合宿テーマ「限界突破」を中心に、山田執行部が進めていく事になりました。そこで、月1回の役員会議に出席できる私は、やはり「限界突破」についてスピーチをしなければなりません。9月3日の役員会では、私は役員に向かって「先を読めない役員には限界があると思った方がいい」と話しました。先を読めない役員とは、少なくとも過去に起こしたミスを教訓に出来ない役員の事です。人間は誰しもミスを起こすものです。しかし、同じ石に何度も躓くように、過去の同じミスを繰り返すのは哀れな事以外ありません。その原因は、「最初のミスを教訓にしていない」事にあります。そういう人に「限界突破」は無縁の言葉です。そこに過去に躓いた石がある、というくらい簡単な事柄を読めない人に「限界突破」はあり得ないのです。そんな話をしました。

遡る事、4月の役員会の話をしました。4月2日、溝端執行部とともに歩んでくれた社外役員2名の退任の場での話です。この時、今後の50年、すなわち創立100周年に向けての話が出ました。その流れで、ある社外役員の先生が「過去50年間、崩壊する会社を多く見てきました。その原因は市場の問題でもなければ、競争相手の問題でもなく、また商品の問題でもありません。ただただ全ては『トップ次第』です」と話されました。すなわち、経営者トップが崩壊の原因であり、会社のトップの思考が大きなカギを握っている。この会社が「世界のため」「お客様のため」でやっていれば、会社は潰れたりしない。しかし、トップが「自分のため」「我が家のため」「自分のメンツのため」等、本来の経営の本質から外していくとおかしくなる。
このようなお話を社外役員の先生方が退任の挨拶としてされました。
まだ5か月前の話です。これを私は9月の役員会で改めて話をしました。お客様のため、社員さんのため、取引先様のため、社会のため、世界のために何を為すべきか、について改めて考え、そしてその考えに挑みながら「今、これが限界だ」の先に見える景色を、もう一段アップデートしていく事を役員自ら課せなくてはならない、と話しました。
正直、「コロナ禍」で人々の性格がよく見えた事があります。リーダーでありながら、社員さんやお客様の事を二の次にして、リーダー自身の保身を第一に動いていた経営陣もいました。非常時になると、その人物がよく見えてきます。平時では上手く装っていても、いざとなあった時に本性が現れる場合もあります。二度と「コロナ禍」のような社会は経験したくありませんが、あえて良しとするならば、リーダーの資格等が異常時によく見えてきます。「限界突破」は、常にそのような非常時や異常時にできるか否かです。「限界突破」という言葉を聞くと、無理をするとか、無茶をするというイメージを受ける人もいますが、全く違います。むしろ、「限界突破」に必要なのは、思考であり、アイデアです。限界突破の挑戦とは、新しい考えを出すチャンスなのです。

翌日の全国拠点長会議においては、当然のことながら山田社長は「限界突破」挑戦が下期のテーマになると話しました。限界という限り、数字でその限界を決めなければなりません。単に精神論だけでの限界突破はナンセンスです。例えば、訪問件数や断られた件数、そして再訪問件数等、数値化しないでこの限界突破の話はありません。なんとなく気分で限界突破の言葉遊びをしていると、結果は出てこないわけです。それらを山田体制は下期の課題にしていました。そんなわけで、全国拠点長会議での私のスピーチも「限界突破」について話しました。事例として、ビジネス面での話はここでは控えますが、プライベート面として「限界突破」について説明しました。
『私の場合、徒歩月間400㎞を限界突破に挑戦します。』と、全国拠点長会議の参加者の皆さんの前で宣言しました。
この時の宣言が、今も続いています。海外出張等でウォーキング出来ない例外は別として、常に「400㎞」を限界として、その突破に挑戦しています。ちなみに「400㎞」は無理や無茶でできるものではありません。少しのアイデアが可能にします。


次回、12月20日に掲載します。

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