代表取締役 湯川 剛

既報の通り、前年の12月1日に「根上」が新「主力食パン」を値上げしました。しかも、「根上」創業以来の「主力食パン」の味を変えての値上げであった事も、既にお伝えした通りです。私は、それなら新「主力食パン」の値上げではなく、新製品の値上げではないか、と思いました。
創業以来の「主力食パン」は、その発売と同時に店頭から消えたらしいです。
私自身その対応の仕方に「?」を感じましたが、他社の事であり、それ以上の感情は持ちませんでした。それぞれの店には、それぞれの考え方があり、それぞれの戦略があります。
ところが、数か月後に「根上」が元の「主力食パン」を「復刻版」として発売しました。同時に値上げされた新「主力食パン」(バター・練乳・マーガリン)は、逆に姿を消したのでしょうか。他社の動きは私にとって全て教材になります。とはいえ、この一連の動きだけは分かりませんでした。新「主力食パン」に変えたものの、従来の「主力食パン」の方が良かった、という声があったのだろうかと思いました。他社の事ながら、その動きにどんな狙いがあるのかと思っていました。私にとっては全てが勉強です。

銀座仁志川は、4月1日に値上げする事を決定しました。昨年、「根上」の投資会社の代表といわゆる「たぬきときつね」のやり取りを重ねましたが、結果として4か月遅れで値上げが決まりました。
1つの商品を「値上げ」するために熟慮に熟慮を重ね、決定する事の難しさを知りました。お客様に迷惑を掛けてはいけない。とはいえ、原材料や燃料の値上げ等により、それぞれの店舗の利益が逼迫している状況の中での「決断」は近年にない私の体験でした。
「銀座仁志川」の店頭には、2月1日より「あん食パン」が発売され、2か月経っての値上げでした。大きな変化があるのではないかと不安が先立ちましたが、結果的にはお客様にご理解いただけたのか、値上げによる大きな落ち込みはありませんでした。

2022年2月に新製品「あん食パン」が発売され、4月に主力商品の「定番食パン」が値上げされ、5月には新しい企画商品を考えていた矢先、私に驚くべき情報が飛び込んできました。それは、食パン専門店の先駆者であり、食パン専門店のジャンルを構築した「根上」の創業者の1人である坂根氏が「退任した」という情報でした。その一報を聞いた時、「えっ!」と驚きました。同業他社の人事とはいえ、業界のトップであり、更に「根上」の経営の一端を担っていた投資会社の代表とも、何度か面談をし、食事をした間柄です。
しかも、私が「銀座仁志川」を設立するきっかけを与えてくれたのも、「根上」であったと言っても過言ではありません。浅からぬ縁があります。既にこの「人プラ」でも掲載している通り、「根上」の共同代表であるもう1人のトップ、森上会長はOSGに出入りしていた広告制作会社の社長でした。私は「根上の社長が辞任した」と聞いた時、「どちらが辞めたのか」と確認するほど、私は森上会長が辞任したと思っていました。彼自身こそが、私に「銀座仁志川」を設立するきっかけを与えたのです(第540回 約束の電話 2023年2月20日・第541回 71歳の「かっ!」 2023年3月1日・第544回 「銀座仁志川」社名決定 2023年4月1日掲載)


次回、4月1日に掲載します。

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