代表取締役 湯川 剛

5月19日週刊誌発売からやっと1週間が過ぎたと思った26日。その記事がネットニュースにアップされました。約800件程のコメントがありましたが、その内容は「高級食パン専門店の行末」や「FCビジネスの行末」がほとんどで、「銀座に志かわ」についての書きこみはほとんどありません、との報告を受けました。
結果的に、この「週刊誌・ネットニュース」騒動は意外なほど問題にはなりませんでした。その理由は、この期間中に「月初め食パン」が発売されていた事、BSチャンネルで番組提供を行っていた事もあり、加盟店様もあまり気にしていない感じでした。実際、2店舗の加盟店様オーナーだけは少し問題にされていましたが、それ以外のほとんどの加盟店様はどちらかと言えば本部に同情する声があり、問題を起こして退会され、今回の週刊誌のネタ元となった元加盟店様に対する批判の声がむしろ多かったのです。

この頃から、私自身の中で「食パン専門店」が「レッドオーシャン」に突入する事を役員会等で発言しています。この局面にて、「積極的に攻めるべきか、それとも消極的に動かざるべきか」と迷いもありましたが、最終的には「攻める」方向に舵を切りました。
その1つが、「銀座に志かわ」のCMにタレントを起用する事にしました。あわせて、他業種・他店舗へのアプローチにも動き出しました。前者については、提供番組が「歌謡曲番組」であった関係から演歌歌手を起用する事になりました。後者については、中華総菜メーカーと同業者のベーカリー業界へのM&A戦略に着手する事になりました。

ただ、「週刊誌・ネットニュース」騒動が意外と問題にならなかった、とは言いましたが、同業他社から見れば「銀座に志かわ」ブランドに傷がついたのではないか、という考えが私の頭をよぎりました。その時、ふと同業者のトップランナーである「根上」の投資ファンドのI代表の顔を思い出しました。昨年から続く、いわば「たぬきときつね」の面談を繰り返し、どちらが先に値上げをするかを探り合っていた関係から、今回の記事は私にとっては少しマイナス点を与えられたような気がしました。ところが6月に入り、既に「人プラ」で掲載していますが、4月下旬に知った「根上創業者・坂根社長辞任」に続き、更に驚くニュースが入りました。「根上 創業メンバー全員が退職」という内容でした。創業者である2人の代表者である坂根社長と森上会長のうち、森上会長だけが残り、社長を兼任。坂根社長とともに入ってきた工房長らも退職したとの事です。他社の事とはいえ大変驚きました。これはただならぬ事です。
同じ業界の人間としては、この出来事はマイナスであってもプラスではありません。単なるお家騒動ではなく、「食パン専門店」業界全体のイメージがマイナスに動きます。そのため私は、「根上」の創業者坂根社長と面談する機会を探していました。

私は「根上」の新社長に就任した「森上会長」とは旧知の間柄。そこで私は、森上会長に「新社長就任祝い」として祝い花を贈りました。彼こそ、私が食パン専門店「銀座に志かわ」創業のきっかけを与えてくれた男です。彼にとっても複雑な気持ちでしょう。まさか、今回の社長交代を引き起こすきっかけとして「銀座に志かわ」の存在があるとは思いませんが、もしその事が直接的・間接的に影響していたのならば、なんと皮肉な事なのかと思いました。いずれにしても、以前から親しかった森上会長の社長就任をきっかけに、機会があれば面談し、情報交換などをしたいと思っていました。ただ、祝い花を贈ったものの本人からの連絡はなしのつぶてでした。彼とは、2018年1月にお年玉を受け取って以来会っていません。

そんな時、私は、ふと大阪プロレスのゼウス社長の存在を思い出しました。プロレス業界に詳しい方なら周知の事実ですが、以前、坂根社長が大阪プロレス会長であった事を思い出しました。そういえば、「根上」が番組で取り上げられている時も大阪プロレスの選手たちが出演していました。「高級食パン」と「プロレスラー」の異色の組み合わせは、私の感性では中々できるものではありません。
「工房長ら全員が退職した」と知った6月2日。私は改めて、坂根社長が書いた「奇跡の食パン」(第579回 100年に向かっての1年目 2024年3月20日掲載)を読み返しました。本の帯には、「日本中で行列ができる根上を生んだ超逆転思考」と書かれていました。この本を読んだ後、私はゼウス社長に電話を入れました。


次回、5月10日に掲載します。

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