代表取締役 湯川 剛

食パン専門店業界は、数年前のブームから一転し、オーバーショップによるレッドオーシャン化が起こり、同時に淘汰の時代へ突入していきます。
銀座に志かわは、2018年9月に銀座で誕生。オープンから約3年間は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでしたが、4年目を迎える2022年秋頃から銀座に志かわも例外ではなく、レッドオーシャンの波が少しずつ押し寄せてきました。
銀座仁志川の営業会議にて、髙橋社長が指揮を執りますが、中々状況が好転する事はありませんでした。髙橋社長は、私と違ってベーカリー業界で10年以上の経験を持っています。また、三重圏内では複数の一般ベーカリー店を経営していますので、その実績や実力は私も十分承知しています。そのような彼ですら、「全国チェーン」を目指している銀座仁志川では少し勝手が違うのでしょうか。
やはり、同じ「ベーカリー業界」と言っても、「食パン専門店」と「街のベーカリー店」では違いはあるのでしょうか。また、地域の経営と全国規模の違いもあるのでしょうか。

いずれにしろ、この「レッドオーシャン化」すなわち「淘汰の時代」をくぐり抜けてこそ、「銀座仁志川」ブランドが確立されるものだと、私自身は客観的にこの状況をどこかで冷めた目で見ていました。それは、ビジネス界において何も珍しい現象ではありません。過去に数え切れない程の教材があるわけです。
古くは、1960年代のモータリゼーションの時代において、自動車業界や石油業界がその道を歩みました。結果的には、自動車業界も石油業界も淘汰され、ご承知のように再編成の時代を迎えました。
また、女性の社会進出や高学歴社会の中で成長した家電業界も例外ではありません。シャープ・三洋電機まで企業そのものが消えてしまいました。現在も残っているパナソニックや東芝・日立・ソニーも業態を変えながら生き残っています。
コンピューター業界も介護業界も同じ道を歩んでいます。ようするに、ブームが起こり、やがてそのブームが去る。その中で「市場」が残るのか否かです。
ベーカリー業界では、「食パン専門店」のブームが去り、「食パン専門店」という市場が残るのか否か、その瀬戸際だに立っていると私は思っていました。
加盟店オーナー様と話をすると、「昨今のネットニュースでは食パン専門店のネガティブなニュースばかりがアップされ、マイナスイメージになっている」と嘆いていましたが、私自身はそのように受け止めていませんでした。むしろ逆で、この「ネガティブニュース」によって、「これで当分は他業界から『食パン専門店』業界に新規参入する事はない」と受け止めていました。人間は身勝手なもんで、「食パン専門店」ブームの話題をメディアで取り上げてもらっている時は喜んだものです。ところが、一転してネガティブなニュースが流れると、「困ったもんだ」と受け取ります。私は「銀座仁志川」を多くのメディアで取り上げて頂いた感謝は一生忘れません。メディアの力によって「銀座仁志川」ブランドがどれほど構築されたか、これは金額で表す事はできません。だから、この時期に「食パン専門店」業界のネガティブニュースが流れても、私には業界への「叱咤激励」としか受け止めていませんでした。それよりも、「食パン専門店」業界が一過性で終わるのか、それとも一つの「市場」として残るのかは、「銀座仁志川」の存在そのものにかかっていると思いました。だからこそ、「銀座仁志川」の使命として「ブランド構築」と「新商品開発」を最大の課題として取り組む事を再確認しました。
そんな矢先の12月1日。「根上」が週刊誌系のネットニュースに取り上げられました。


次回、9月1日に掲載します。

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