「初めに言葉ありき!」
「言葉が人生を方向付ける!」
私の大好きな言葉の一つですが、それにしても「日本一になるぞ」など、よく言えたものです。
若さ故のことでしょう。
「カ〜ッ」と頭に血が上って熱に浮かされ「日本一」と言ったものの、社員さん一人一人の顔を改めて見て、「大丈夫かな」と不安になりました。聞けば学生時代も含めて、「No.1」や「一等賞」になった事などない、と胸張って言う連中でした。他人の事は言えません。当の私も「一番」など無縁に過ごしてきました。
そんな仲間と「日本一」が目指せるのか。万年最下位チームにいきなり優勝を狙うぞと言っているようなものです。連敗ボクサーにチャンピオンになれと言っているようなものです。
そこで全員を集めてミーティングをしました。「日本一」という言葉を身近にする為のミーティングでした。今も記憶にありますが、「日本一」「チャンピオン」「優勝」「No.1」の言葉ですぐに思い浮かべるイメージは何かという質問をしました。ある野球好きな社員さんは「日本シリーズの優勝チームだ」と「日本一」のイメージを語りました。私の「日本一」のイメージは「桃太郎のハチマキ」だと言ったところ、みんな一瞬不思議そうな顔で、そして大爆笑になりました。とにかく「日本一」を身近なものにしようと心がけました。
「いいか、これから何の仕事をしているの」と友達や家族から聞かれたら「日本一と取り組んでいる仕事」と言うようにが、その時のミーティングの結論でした。この日から私の手帖にはやたらと「日本一」という言葉が増えました。私の気持ちの中には万が一実現できなくても、この5年という期間に「日本一に取り組んだ」という事実があればいいという気持ちと、やはり社員さんに日本一を体験させたいと思いました。
いえ、何より私自身が「日本一」を体験したいと強く思いました。
(次回に続く)
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