あれから25年が経ちました。その間、猪木さんはスポーツ平和党を結党し国会議員にもなりました。またプロレスラーや国会議員を引退後も数々の活躍をされています。現役を引退されてからもテレビCMやテレビ番組などに出演され、引退したプロスポーツマンではあまり前例がないのではないでしょうか。例の「1・2・3、ダァー!」や「ビンタ」に長い行列が出来る現象は、猪木さんの「商品」として今もって健在です。
「アントニオ猪木」というキャラクターには、2通りの見方をされています。
1つは猪木教の圧倒的な信者が支持する大きな要素にカリスマ的なイメージがあります。
この存在は根強く、史上初のレスラー出身の国会議員で、なんと100万票近く集めました。また芸能界のお笑いタレントや有名なミュージシャン、そしてプロサッカー選手等にも猪木さんの大ファンがいます。そのミュージシャンやお笑いタレントを通じて、彼らのファン達が猪木さんの存在を知り、年齢層を超え、男女の性別に関係なく、知名度があるのです。
もう1つのイメージがあります。それは過去にブラジルでアントンハイセルというバイオ燃料事業や、永久電気たるものを開発している途中での金銭的な問題や製品そのものの問題です。それが他の人から見れば「胡散臭い商品」であり「胡散臭い人」と思われるのでしょう。
身近にいる私から見れば猪木さん自身が胡散臭いのではなく、猪木さんを利用しようとして近づいてくる人物に胡散臭い人がいるのです。多分、猪木さん自身も分かっていながら、その未知なるモノに興味を持ってしまうのでしょうか。私にも時々、理解できない事が正直あります。猪木語録として「詐欺師にもロマンがある」というのがありますが、これなどはまさに普通人と違った見方をされている表れではないでしょうか。しかし、そんな一面が誤解を招いてしまうのです。本来はピュアな人なのですが・・・。
人気者と言うより猪木さんの場合はカリスマスーパースターと言った方がいいでしょうか。
そのような人は、人並みの判断ではとても評価できない行動に出られたり、また価値観を持っているようです。マイケル・ジャクソンなどを見てもそうだと思いますが、それが時折、極々一般的な人を誤解させるのでしょう。
政治家アントニオ猪木時代に、週刊誌やスポーツ紙、そしてテレビのワイドショー等で連日バッシングを受けるスキャンダルがありました。この時はさすがの猪木さんも落ち込んでいました。多くの人々が猪木さんの側から離れていった事も事実です。実際私の周辺の人たちも猪木さんとの付き合いを止めるようにという忠告がありました。しかし私は、その意見に耳を傾けませんでした。むしろ落ち込んでいる猪木さんに更なる応援をしました。
それは全く無名であった私達の会社に、当時からもの凄いスーパースターであったアントニオ猪木さんが、「今、貧乏!将来、希望!!」という私の手紙の一文でCM出演を快諾してくれたこの「恩」を、終生忘れてはいけないものだと思っているからです。
また私を猪木さんの「タニマチ」的存在で誤解して見ている人もいますが、むしろ猪木さんの方がこの25年間、私に協力して下さっているのです。
現在猪木さんはニューヨーク在住。忙しい2人ですが月に1度は会う時間を作っています。
(次回に続く)
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