代表取締役 湯川 剛

2009年。新年、明けましておめでとうございます。
2005年1月1日から掲載されました「人生はプラス思考で歩きましょう!」も、今年5年目を迎えます。

OSGは暮らしの「水」に思いをはせて今年で39年を迎え、来年は大きな節目の創立40周年になります。1つの仕事を信じて行なってきた事に今更ながら思う事は、それは長くもあり、また短くもあります。40年を機に更なる課題に向かって、OSGグループは挑戦し続けて行きたいと思います。

本日はお正月ですので、干支(えと)に因んでのお話をしたいと思います。
今年は丑年ですが、24年前の同じく丑年の1985年のお話です。
私が行なうGAT訓練の場所は殆どがお寺です。全国に20ヵ所程のお寺を利用させて頂いています。その為、ご住職さんとも親しくしています。
その中の一つに信貴山千手院というお寺があり、場所は大阪と奈良の県境にある信貴山という山にあります。小学生の教科書にも登場する信貴山縁起絵巻などの国宝・重要文化財が収められ、近年もNHKが信貴山縁起絵巻を素材にした番組が放送された由緒あるお寺です。

信貴山管長・総本山朝護孫子寺の田中管長さんがある日、会社に訪ねてこられました。
お話を聞くと「来年(昭和61年)は寅年です。今から1500年前に聖徳太子が朝敵、物部守屋を討伐しようとしこの山に来た時、「寅の年、寅の日、寅の刻」に毘沙門天を感得され、敵を滅ぼしたといわれている。以来、信貴山の毘沙門天王は寅に縁のある神として信仰されている。12年に1度の寅年は特別な年として毎回行事を行なっている。今回は世界一の張子の虎(胴体部分はタイムカプセルになっています)を建てるので、寄付を集めている」との事でした。たしか一口10万円で100口程度の予算だったと思います。近畿日本鉄道や大手広告代理店の合同企画で大々的にPRをするとの事です。

私は管長の話を聞いて「私のところは何番目ですか」と訊ねたところ、一番目だと言われました。このお寺の奉賛会の会長は大手ガス器具メーカーの会長であり、トマト加工最大手メーカーや最大手製パン等、そうそうたる会社が奉賛会のメンバーでした。そんな中で私を一番に訪ねてこられたというのは何かご縁があると感じました。というのも、実は管長さんが訪ねてこられるわずか1時間ほど前にこんなことがあったからです。

さかのぼる事1時間前、ある社長が来られていました。その社長から「湯川さんのお陰で家族や会社の多くの社員が助かりました。受けた恩から見ればこのお礼で足りるものではありませんが・・・」と言われ、紙袋を渡されました。「これ、何?」と中身を見ると、大金が入っていましたので「それは受け取れない。勿論、大金でなくとも受け取る理由がない」と断りました。受け取って欲しい、受け取らないと数分のやり取りがありましたが、私が頑として拒否をしましたのでその社長さんはその紙袋を持って部屋を出られました。

ところが田中管長にお茶を持ってきた女子社員がその紙袋を「湯川社長に渡すように」と言われて持って来たではありませんか。そこで私は「管長はツイてますよ。金額もほぼピッタリです」と、その紙袋をそのまま管長に渡しました。管長は一瞬、何の事か意味が分からないといった様子でした。
このお金は価値ある目的の為に生まれてきたものです。管長さんは毘沙門天様のご利益と思われましたし、お金を持って来られた社長さんも使い道に嬉しく思われたし、私としては右から左の仲介役でしたが、とても気分が爽快になり、三方がうまくいきました。

あれから24年。「世界一の張子の虎」はNHKや新聞記事等で紹介され、多くの参拝者が必ず張子の虎の前で写真を撮っています。業界日本一を目指して闘っていた最中でもあり、当時の我々にとっても、縁起のイイ出来事でした。

今年も1年間、よろしくお願い致します。

(次回に続く)

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