代表取締役 湯川 剛

2025年2月1日土曜日。
40年以上続けている信貴山の月初め礼拝に、この日は幹部13名が参加しました。毎月の参拝は、私と社長ほか3名ほどですが、大阪本社で今日から始まる冬合宿があり、東京の幹部も同行しました。記念すべき55周年、各幹部は何を祈ったのでしょうか。

今年の冬合宿は「創立55周年記念式典&謝恩パーティー」を中心に進められました。たぶん、私自身の指導の下で行う最後の記念式典になります。実質的には社内に準備委員会が設置され、相談を受ければ指示をするようになっていました。例えば、「創立55周年記念式典」のテーマが中々決まらないらしく、私に相談がありました。
私が伝えたテーマは「ここからだ!」です。
40周年記念式典テーマが「中国・アジア・そして世界へ」となっていたので、山田社長以下、準備委員会のメンバーは40周年に合わせようとし、中々決まらなかったらしいです。いわゆる、「前例」が思考の「枠」を作っていたわけです。それだけに「ここからだ!」と伝えた時は、拍子抜けした感じでそんな方法もあるのか、と受け止めていました。

実は、今期の冬合宿のテーマは「枠を超えろ!枠を外せ!」です。それにも関わらず、40周年のテーマという「枠」にはまったのか、中々合宿のテーマが決まらなかったらしいです。私よりも20歳、30歳も若いメンバーでありながら、私から見れば柔軟な発想が足りないのではないか、と少し気になりました。テーマは単なる「言葉選び」ではありません。例えば、40周年記念式典の「中国・アジア・そして世界へ」は、その当時の課題であり目標でした。中国という大きな市場を開拓し、さらにアジアへと市場を拡大していく、という目的を持った40周年記念式典でした。よって、100人を超える中国人が参加し、来賓として中国体育局局長や中国保険協会幹事長等の要人が祝辞を述べてくれました。
では、55周年記念式典の目的は何なのか。それは「100年企業」を目指す事を常々話していました。そのような意味を込めて「ここからだ!」を式典のテーマに伝えました。
私自身、55年の経営で絶体絶命の危機に陥る事は度々ありましたが、常に「ここからだ!」という気持ちで乗り越えてきました。また、予想以上の増収増益の時も「好事魔多し」として気を引き締め、「ここからだ!」と言い聞かせてやってきた経緯があります。その旨を幹部に伝え、幹部が準備委員会に共有し、このテーマで創立55周年記念式典を開催する事になりました。これを合宿で伝えました。
「周年記念式典」は、社外の皆様にOSGの企業風土・企業文化・企業理念を知ってもらう最大級のチャンスです。式典の招待客は約2000名で、参加される皆様はそれぞれの事業部から招待を受けます。皆様はOSG全体を知っているというより、その事業部の姿でしかOSG全体を認識されていません。例えば、水自販機のお取引様は銀座仁志川や中華総菜の元祖五十番神楽坂本店の存在を知らない方もいらっしゃいます。そのような意味において、OSGグループの総合カタログをお見せする最大のチャンスでもあるわけです。社内においても同じです。水宅配事業部の社員さんが、家庭用機器販売の社員さんと交流する事はありません。そのように事業部間を超えた全社員が一堂に集まり、55周年記念式典を運営するわけです。
それだけに、合宿テーマの「枠を超えろ!枠を外せ!」が必要になります。どうしても事業部の枠の中で物事を考えます。それを取っ払って、1つの塊となって記念式典をやろうという事です。それは創立記念祭の場でしか実現できません。

このように、私は「創立記念式典」のテーマの意義を説明し、この日から始まる冬合宿のテーマを改めてお話しました。

私は合宿で、大きく3つの事について話しました。
1つ目は、冒頭で述べたテーマについてです。
2つ目は、「今日まで55周年記念式典を迎えられたのは、社員の皆さんらの協力があったからです」として、私個人から1000万円の報奨金を提示しました。本日から始まる新年度に、何か役に立つのであれば活用してもらいたい、と申し出ました。
3つ目は、私自身がこの世に生まれてきて、私の人生に意味合いがあるならば、それは何なのかを話しました。
日本の社会に、家庭用浄水器をはじめと業務用・産業用、それに水自販機や水宅配事業等「水ビジネスを広める事」が、私が生まれてきた人生の目的なのか。それとも、OSGの経営や社員教育等の企業風土・企業文化・企業理念を構築する基本となる考え「明るさの地場経営、すなわちポジティブ思考を広める事」が、私がこの会社を設立した真の目的なのか。そして最近では、後期高齢者となった私自身がまだ現役でいる事による「人生100年時代」の具体的事例として、「年齢と社会の関わり方を広める事」が、私がこの世に生まれてきて私の人生の目的なのか。この事を合宿で伝えました。
もちろん、これは私自身の事例を言っている事であり、合宿参加の皆さんにも「この世に生まれてきて、人生に意味合いがあるならば」を考えてほしいというのが、話の目的です。

私の担当する合宿最初のスピーチを終えた後、毎月欠かさず月初めに参っている両親のお墓参りに1人で行きました。お墓を掃除している時や行き帰りの途中等の1人での時間に、私しか知らないOSGの55年間を振り返りました。ただただ、感謝しかありません。

合宿初日の夜の部。「翔け野ガモ勉強会」で私の時間が設けられました。たぶん、55周年記念合宿だからだと思います。内容は省きますが、最後に私は、
『明日死ぬと思って今日を生きる』『永遠の命があると思って学ぶ』について話しました。

「明日死ぬ」「永遠の命」
この相反する2つの言葉について話しました。このような言葉を使うと、私の78歳という年齢がよく使うワードかもしれません。しかし、私はこの年齢だから話しているのではありません。20代後半からこのような考え方で生きてきました。この「人生はプラス思考で歩きましょう!」にも既に掲載していますが、20代半ばで1年ごとに遺書を書いたのは、「明日死ぬ」と思って今日を精一杯頑張ってきたリアルな実体験です。また、「永遠の命」があると思っているので、78歳の今も学ぶ事を怠りません。

こうして、2025年2月1日から始まる新年度がスタートしました。

2025年8月29日から3か月が過ぎました。
「余命10年宣言」78歳から88歳まで。
こんな日々を過ごしながら、88歳に向かっています。


次回、12月29日に掲載します。

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