代表取締役 湯川 剛

2003年の年が明けました。OSGは1月決算の為、毎年の事ですがお正月気分はありません。初詣に地元の神社をお参りし、元旦零時の合図と共にお賽銭を差し上げ1年の無事をお願いするその瞬間以外にお正月気分になる事はありません。どうしても頭の片隅に「決算を終えてから」という思いがあるので仕方がありません。

私は大相撲が大好きなのですが、この年の初場所であの貴乃花が横綱を引退。また二場所連続優勝を果たした朝青龍が第68代横綱へ昇進したそんな年明けでした。

OSGでは毎年1月31日の21時に管理職以上が参加しての終礼があります。
「この1年間大変ご苦労様でした」と期末を締めるけじめの行事です。
その後、幹部と近くで食事をするか、そのまま帰宅してビール等で「お疲れ様」と言った瞬間だけが「お正月気分」と言えば、お正月気分です。

2月に入り、33期から34期へと年度が変わります。
2003年2月の当時の私の行動表を見ると大きく2つです。1つは投資家訪問です。
前期の成績が芳しくなかったのですが、年末から計画されていたONE on ONEと呼ばれる投資会社へのIR活動が2月17日から始まりました。日記には「針のムシロに座るような気持ちだ。しかし絶対逃げずに積極的に説明しよう」と書かれてあります。

もう1つはOSGの全国の営業拠点を廻ってのENJINミーティングです。
ENJINミーティングのネーミングは私が名づけたのですが、意味は「円陣を組む」という意味と、もう1つの意味は車の「エンジン」です。我が社が全力疾走する大事なエンジン部分。このエンジンこそが我が社の将来を引っ張り「全体を牽引するエンジン」という意味です。

新年度に入って2月から3月にかけて、私の空いている時間を利用して25部署・営業所を廻り、各部署・営業所でおよそ2時間、話し合います。トータルで500時間。
話の内容はOSGの現在の課題や未来への話等、さまざまです。小さな営業所では数名の場合もあります。
40〜50名を超える拠点では2回に分けて行なう場合もあります。大人数相手ではひとりひとりに語りかける「ENJINミーティング」の目的から外れるからです。大体、夕方から始めるので当然、食事会(現在ではコンパと呼んでいますが、当時は食事会です)を兼ねて行ないます。

大抵の場合、こういった食事会のお店は拠点責任者が決めます。どうもどんな店が良いのか、拠点責任者間でお互い連絡を取り合うらしいです。
「どんな店を選んだ?」
「ウチはちゃんこ鍋をやった。社長もちゃんこ鍋が好きらしい」
「そうか、それならウチもちゃんこ鍋にするか」
そんな訳でこの年のENJINミーティングでは25回全てちゃんこ鍋でした。
私のスケジュールの関係上、6日間連続でENJINミーティングを実施する事もある為、連日夕食が「ちゃんこ鍋」という事もありましたが、不思議な事に飽きるという事はありません。
たぶんその地域や街のちゃんこ鍋の味付けの違いが飽きさせない事もありますが、毎晩変わるメンバーの話す内容が、ちゃんこ鍋を飽きさせなかったのだと思います。

そんなENJINミーティングやONE on ONEの合間にカリスマファンドマネージャーと呼ばれていたF氏と会う機会がありました。(第224回に掲載)
世界最大級の米国投資銀行G社を訪問した際、面談したあのF部長です。
私と19歳も離れていますが、日頃から「私はF塾があれば、すぐ塾生になります」と言っていました。そんな関係から37歳のF氏から「実は4月1日にR社という社名で会社を設立する予定」と起業する話を聞いた時には「それは素晴らしい。多額な契約は出来ませんが是非、OSGをR社の第一号契約者にさせて下さい」と彼の独立を喜んだものです。

(次回に続く)

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