代表取締役 湯川 剛

前回、JF社のプラントが第7号プラント誕生についてお話ししましたが、本日は第1号から第6号プラントまでの経過を3回に分けて掲載したいと思います。

水宅配事業をする場合、必要不可欠なものとしてプラントがあります。プラントがなければ水宅配ビジネスは成り立ちません。この事業の難しいところです。初期投資が必要なのです。

WNの場合、当初からこのビジネスが成功する自信はもっていましたが、プラント等の設備による初期投資も必要ですが準備期間の人件費などもかなりの投資が掛かります。そこで私はこの事業の目鼻がはっきりするまでは会社に提案せず私財を投入しました。水宅配事業に夢がありましたので、都内の高級マンションを1戸購入する程の費用は掛かりましたが惜しいという気持ちはありませんでした。

さて「これでいける」と判断して第1号プラントを弊社の川越工場の一角に建設する事になりました。勿論、これとても会社にとっては大きな投資です。まずは「製品水を作る」という第1号プラントを手掛けなくてはなりません。川越にプラントがあるという事は、関東エリアにまずは加盟店様を募集する事が可能になります。しかし関西エリアや中部エリア等全国に市場を広げたい訳です。初期投資と言い聞かせて時には採算を度外視してやらなければならない事もあります。西日本エリアにも輸送費用を掛けて川越から輸送する訳です。
このようにお話しすると何と不採算なビジネスと思われますが、まさにその通りです。

そこで少なくとも西日本をカバーする拠点として大阪にプラントが必要になってきました。
東日本は川越に自社物件があったのですが、西日本はそのような物件もありません。更にお客様がいない中でこれ以上の投資を会社に提案するのも私自身としては心苦しかったのです。そこでプラントだけを設置してくれる会社を探しました。都合よくそのような会社はありません。そこで私は古くからの知人で関西在局のテレビ局役員に相談に行きました。これからの水宅配ビジネスの到来について熱っぽく話した事を覚えています。水宅配ビジネスの市場性や成長性、更に社会性や収益性等を話したところ「自分はサラリーマンなので資金の一部は用立て出来るが、プラント等持てる筈がない」との事でした。私もこの役員にプラントを持って貰おう等と毛頭おもっていません。そこで役員に「顔の広いところで、有志を募ってほしい」とお願いしました。いわゆる「人脈は金脈」の例えの通りを話した訳です。
この役員は声掛けを約束してくれました。
数日後、8人ほどの人が集まってくれました。顔なじみの広告代理店や食品関係の社長などです。そこで役員に話したと同じように水宅配事業の魅力を説明しました。
ある社長が「湯川さんも投資するなら出資は考えるが、湯川さんはどれ程、出せるのか」の質問に「私は出資出来ません。正しく言えば、出資出来ないのです」に一同が冷たい目線を私に向けました。そこで私の立場と利益相反に対する説明をしました。この時の場の雰囲気は完全に「全員出資はダメ」となりました。
私はそれを無視するように説明をし続けました。するとテレビ局の役員が「みんなも湯川さんの事は知っている。若い頃から大阪で頑張っているのは見ている筈。どうや今回は湯川さんの夢に協力しようやないか」との発言をきっかけに流れが変わりました。
これらの経過は第318回に詳しく掲載されています。

「第2号プラントなくしてWNの今日はなかったと言っても過言ではありません。この第2号プラントが出来た事によって西日本での営業活動が出来、加盟店様への製品水供給が出来た訳です。私は奇跡のプラントと呼んでいます」は当時の営業責任者T氏の発言です。

次回は東北エリアをカバーして頂く仙台プラントや四国中国をカバーして頂いている四国中央プラント等のお話をさせて頂きますが、神様の采配で巡り合わして頂けるように全国にプラントが出来る訳です。

「丹羽会長。丹羽会長の〝これからは水の時代〟と言った言葉が私を押し進めたのです」

(次回に続く)

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