第4回 「お別れ会の準備」

四十九日法要が営まれた11月24日に、お別れ会が「2023年3月7日、両国国技館」で開催される事が発表された。主催者は新日本プロレスと猪木元気工場です。

お別れ会の第1回目の打ち合わせが12月5日夕刻、新日本プロレス本社の会議室にて開催されました。第1回目は設営等を行なっている大手のM社や警備会社等を交えて参加者の顔合わせとおおよその大枠だけが決められました。
この席上で私は改めて「お別れ会」の主催者になったことの根拠とお別れ会の目的を説明しました。
「お別れ会」の主催者は新日本プロレスと猪木元気工場の2社です。
猪木が亡くなった時の社会的立場は自ら創業した新日本プロレスの終身名誉会長でした。
また猪木元気工場は猪木の亡くなった時のマネジメント会社です。その2社が主催する根拠です。
またお別れ会を開催する目的も改めて説明しました。
アントニオ猪木の葬儀告別式は家族葬にて執り行ないました。その際、多くの猪木ファンの皆さんに猪木とのお別れの機会を作らなかった訳です。いつもファンを第一に考えファンを大事にする猪木にとっては辛かったと思います。勿論ファンの皆さんもそうでしょう。
その時に「アントニオ猪木のファンの皆さん」にお別れの機会を与える場として「お別れ会がある」事を改めてこの日の会議に参加者の皆さんに説明しました。
また以前より新日本プロレスには発起人代表として坂口征二相談役をお願いしていましたが、この日に快諾を受けました。これで大枠な骨子が出来ました。
しかし細かな打ち合わせ含めて決めなければならない事は多くあります。勿論、会場費や会場内の設定や多くのファンが訪れる事での警備費用等、多くのコストがかかります。これを主催者側が負担しなければなりません。ここにも大きな問題があります。これらを解決しなければなりません。
この時点でお別れ会開催まで約3カ月ありますが、その間、年末年始もありあまり悠長なことは言っていられません。「あっという間に時間が過ぎ去る」と伝えて、この日は終わりました。

新日本プロレスの窓口の菅林会長に「年内にもう一度、お別れ会の打合せをしたい」とお願いしていましたが、新日本プロレスの年間最大行事のひとつである東京ドーム「イッテンヨン」大会があり、まして来年の「イッテンヨン」は「猪木追悼興行」になっている為、大変忙しく時間がありません。そこで第2回目は12月29日夕刻に、両国国技館の控室で行なう事になりました。お別れ会の設営を頼んでいるM社がこの日、両国国技館でイベントしている為にこの日のこの時間しか取れないとの事でした。2回目には猪木元気工場の髙橋社長も参加しました。
この日は新日本プロレスから菅林会長他2名でM社は2名。猪木元気工場から髙橋社長と元広報の井野さんが参加しました。冒頭、私は「最初に言いにくい話をする」と伝えました。
「M社や警備会社は新日本プロレスさんとの付き合いはあると聞いているが、今回のお別れ会は単独の行事です。予算は明朗会計にてやってほしい」と大変失礼な話の内容でしたが共同で行なう為には信頼関係を持って行なう事で双方確認しました。
M社からは祭壇にA案とB案が提示されました。A案とB案の違いは、祭壇の内容であり、当然コストも違います。私は「猪木のお別れ会であるのでA案をお願いしますが、しかし価格面はB案に近い価格でお願いしたい」と言いにくい事をはっきり伝えました。
お別れ会の規模性から費用は予想していた以上に、莫大な金額になります。まずは支出面からどれだけの費用が掛かるかのおおよその金額を把握しておかなければなりません。例えばA案とB案が提示された場合、やはりスーパースターアントニオ猪木のお別れ会ですから立派な方をお願いしますが当然のことながらコストもかかります。私がこの時、心掛けたことは「決断」を出来るだけする事です。開催期日が決まっているだけに決断が遅れればそれだけ準備期間が無くなります。
更に「自分達が出来る限りの事はする」という基本的方針を持っていなければその場での「決断」が遅れる訳です。「自分達が出来る限りの事はする」がその時の判断基準です。
2社開催ですが交渉の窓口は新日本プロレスにする事も決めました。この日はお別れ会の会場である両国国技館の設営に対して、おおよその話を決めて次回の第3回目を1月19日午後、新日本プロレス本社にて行なう事になりました。課題は多々あります。
「お別れ会」の発起人代表は新日本プロレス相談役であり、長くアントニオ猪木と闘った坂口征二相談役に決まりましたが、発起人の方々も1月末までには何としてお願いしなければなりません。
「お別れ会」でやらなきゃならない事は山積しています。
しかも新日本プロレスと猪木元気工場の参加者はそれぞれ本来の仕事も抱えています。
そんな中で期限が刻一刻と迫ります。
さてアントニオ猪木の多くのファンの皆さんが期待する「お別れ会」は出来るのか。

次回、2月10日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

【追記】
私自身は第1回目の打合せから、いや正確に言えば四十九日法要が終わった11月24日に「お別れ会」の会場や開催日が決まった日から、また眠れない日々が続いています。
稀代のスーパースター「アントニオ猪木」のお別れ会です。全国の多くのファンの皆さんの期待もあると思います。メディアも注目する事でしょう。
うまくやって普通なのです。失敗は許されないのです。
また事情も分からないまま週刊誌の記事のネタになる事もあるでしょう。
心無いネットの書き込みもあるでしょう。
「お別れ会を利用してお金儲けをしている」と言われるのが私にとって一番の心外です。

(2月5日・10日掲載は、2月4日から9日まで海外出張にて2月3日に作成しています。
3月7日の両国国技館で「お別れ会」が開催される1カ月前の2月7日あたりに新日本プロレス及び猪木元気工場からファンの皆さんに「お別れ会」の全容がわかる発表があると思います。)

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