第12回 「お別れ会の1・2・3、ダァー!」

3月7日両国国技館での「猪木のお別れ会」が終わって1週間が経ちました。
私にとって大きな区切りとなる「猪木のお別れ会」を終えたらすぐに次の課題があります。
それは猪木家の菩提寺である總持寺(横浜市)に「猪木のお墓」を建立する事です。
「猪木のお墓」こそが、ファンの皆さんが集まる聖地になるからです。
猪木はまだ当分、私をゆっくりと休ませてくれませんが、やれる事への「感謝」をもって挑みたいと思います。
今回から「猪木のお別れ会」についてお伝えしたい事があります。

「猪木のお別れ会」を開催するまでに5回の準備打ち合わせ会を行いました。
準備・運営事務局の皆さんらの細かな打ち合わせ時間や前日早朝からの準備等も入れると50時間以上を費やしたと思います。
そしていよいよ3月7日を迎えた訳です。
この日の出来事はテレビのニュースやネットニュース等で報道されていますので私がここでお話しする必要はありません。

当日「猪木のお別れ会」は11時ちょうどに開始されました。
第1部のセレモニーが終了したのは11時50分だったと思います。50時間かけて50分です。
私の隣に着席していた菅林新日本プロレス会長に「長い時間をかけて、あっという間のセレモニーでしたね」と伝えました。菅林会長も黙って頷いていました。
第1部のセレモニーの終了は猪木の孫である猪木尚登(なおと)君とオカダ・カズチカ選手との「1・2・3、ダァー!」で締めくくりました。

元々の進行ではこの「1・2・3、ダァー!」は3人のレスラーで行なう予定でした。
しかし私には別の案がありましたが、確認する必要がありました。
2月4日にロスに行き、寛子さんに「実は、第1部のセレモニーの締めくくりに〝1・2・3、ダァー!〟を寛太君と尚登君とでやって貰えないか」のお願いに快諾を得ました。
その事を第4回目の会議で報告しました。
ところが2月25日の寛子さんからのLINEで「寛太が行けなくなった」との報告でした。
そこで最終会議でオカダ・カズチカ選手と尚登君との「ダァー!」になった訳です。
前日に寛子さんに連れられた尚登君とお別れ会本番に向けて「ダァー!」のリハーサルしました。
日本語の分からない尚登君ですが、持ち前の明るさと積極性で助かりました。
私が会場の右側・正面・左側を指さして「1・2・3」とした後に「ダァー!」をしましょうというと、彼はすぐに会得しました。
日頃からアメリカでも「1・2・3、ダァー!」をやっているのでしょう。
私は尚登君に舞台に上がればオカダ・カズチカ選手と握手をしましょうと言いましたが、オカダ・カズチカ選手は担当者から右・正面・左は伝えられていましたが「尚登君と握手」は伝えてなかったのか、実現しませんでした。
もし2人が握手をすれば、それは絵になるシーンです。

さて、猪木の2人のお孫さんがセレモニー最後の「ダァー!」をする意味合いと、オカダ・カズチカ選手と尚登君が「ダァー!」をする意味合いは変わってきます。
前者は猪木からのメッセージですが、後者は少し違います。
実弟の啓介さんが「兄貴の〝1・2・3、ダァー!〟は、誰かがやり続けなければならない。その為に猪木の正式な〝ダァー!〟をやる継承者が決まれば猪木の〝1・2・3、ダァー!〟は永遠に生きていく」と、よく私と話しました。これを誰に継承するかという事です。
そのような意味においては今後、このオカダ・カズチカ選手と尚登君との「ダァー!」のシーンが重要になってくるのではないかと思います。

実は私はロスで寛子さんに話した「ダァー!」のシーンに、もう1つのお願いがありました。
それは倍賞美津子さんの登場です。2人のお孫さんと倍賞美津子さんが「ダァー!」をやります。
もしこれが実現したならば、「お別れ会」のニュースでは間違いなく倍賞美津子さん一色になっただろうと予想します。倍賞美津子さんは寛子さんにすればお母さんにあたるのですが、そう簡単にいく話ではありません。相手は大女優です。そこで事前に連絡をするのではなく、3月5日に帰国した際に直接伝える事になりました。3月1日の打ち合わせ最終会議の席上でもこの話は「実現すれば凄い!」と、進行のシナリオは「登場する」「登場しない」の2通り準備していました。
結果的には実現出来ない「幻のダァー!」となった事は、私自身も残念だと今でも思っています。
もしかすれば天国の猪木が「俺が主役なのに」と思って止めたのかもしれません。

新日本プロレス提供の「猪木のお別れ会」の映像です。(視聴期限あり)
外部リンク:https://njpwworld.com/p/s_a318_1_1

次回、3月20日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

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