第67回  猪木が趣味

「アントニオ猪木を語り継ぐスペシャル・トーク・ヴァリュー」のスケジュール表によれば、
第1部 伝承の会「2023年秋特別講演会」(9時45分~12時45分)
第2部 ゲスト選手との撮影会(13時~14時)
第3部 ゲストの皆様を囲んでの懇親食事会(14時15分~16時30分)
となっています。
私は前回にお話した通り、会場に入ったり面談の為に外に出たりしていました。

14時過ぎに啓介さんから「今から食事会です。会場に来て下さい」と電話が入り、急いで会場に行きました。会場は多くのテーブルが並んで、食事ができるような状況になっていました。多分、ゲストの撮影会の間に講演会場から食事会の場に準備されたのでしょう。

まず主催者側として、舟橋慶一さんが挨拶をされました。その後、司会者の方が乾杯の音頭に突然私を指名しました。私は「えっ!えっ!?」と思いましたが、席を立ちながら猪木語録「迷わず行けよ」と小声で言ったので、私の前に座っていた原カメラマンや筒井プロデューサーは笑っていました。
私は乾杯の音頭の前に、改めて猪木信者の皆さんとこのような場所で一同に会えた事に感謝を述べました。私にとっては初めての出来事です。そしてお願いもしました。

実は、この日も何人かの参加者の方々から「湯川さんがこれまで猪木さんの為にやっていただいてありがとうございます」や「湯川さんがいなければお別れ会やお墓もできなかった」等と私にお礼を言われました。私としてはむしろ恐縮するばかりです。それには理由があります。
皆さんも知っているように「アントニオ猪木」を採用したパチンコ台があります。そのパチンコメーカー「平和」の元社長であり、当時の相談役である石橋保彦氏と食事をした時の話です。
「平和」がゴルフ場の経営に乗り出す話になり、石橋相談役から私に「ゴルフをするのか」と質問がありました。私は「やらない」と答えました。カラオケも行かないし、釣りもしない、と全く無趣味な男だと伝えました。石橋相談役は「それにしても何もないということはないでしょう」と言われたので、「趣味は仕事」と言えば風情のない経営者なので、私は「強いて言えば趣味はアントニオ猪木です」と答えました。それ以降、石橋相談役は時に触れて「湯川会長の趣味はアントニオ猪木だ」と言うようになりました。そんな経緯を乾杯の前に簡単に説明し、「猪木の為にお別れ会をしたり、映画を作ったり、ブロンズ像を建立したりしているのは趣味の一環ですので、これからはお礼を言うことはしないで下さい」的な話をして「乾杯!」と杯を上げました。

私は食事会を途中で退席することになりました。

本来なら「猪木」に関する取材やセミナー等は一切受けない気持ちでいました。今回、舟橋慶一さんのお誘いでこのような場を与えていただいたことを結果的には感謝しています。それは、多くの「猪木さんを慕う方々」と会えた事です。お別れ会とは違った、身近な距離感のない会合でした。
この日に多くの方々からお声を掛けていただきました。中には「天国の猪木へ」を読んでいただいているとの事です。恐縮すると同時に、お互い顔を見られた事が良かったと思います。

2日後の11月25日17時前、舟橋慶一さんからお電話をいただきました。
参加者の方は九州や大阪からも参加されている、との事でした。舟橋さんによると、当日も盛り上がり、フェイスブック等にも「とてもよかった」との反響がありました、との話です。
それを聞き、私も時間を調整して参加できたことに素直に喜びを感じました。

次回、12月1日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

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