あけましておめでとうございます。「天国の猪木へ」を読んでいただき、ありがとうございます。
2022年10月1日に稀代のスーパースター「アントニオ猪木」が亡くなりました。
昨年は「猪木ロス」で多くのメディアにて取り上げていただきました。その結果「天国の猪木へ」にて発信する事が多くありましたが、今年は果たして「天国の猪木へ」がどこまで掲載できるかは分かりません。
12月31日掲載分でも書きましたが、「エントロピーの法則」ではありませんが、徐々に猪木は忘れられる存在になります。その中でも皆さんにお伝えしたい事があれば、小さな事でも発信を続けたいと思います。
12月30日13時。私は品川駅付近で猪木の実弟である啓介さんが運転する車に乗りました。本来は、私のスケジュールでは行く予定がなかったのですが、前回の墓参の時に何となく猪木のブロンズ像の顔が寂しく感じたので、何とか時間を作って大阪からお墓参りに来ました。
この日は大晦日を迎える前日にも関わらず、暖かく快晴でした。
啓介さんとは、この1年色々あった事を話し合いながら總持寺に向かいました。途中、お墓に供える仏花を買いました。お正月用のお花でした。車でお墓近くまで行きました。この時、私が啓介さんに「猪木さんのお墓に花がいっぱいあればいいね」と話したのは、前回と同じ内容でした。それ程、猪木のお墓や慰霊塔に花がある事を祈りました。
啓介さんが水を汲みに行ったので、私は普段よりは少し大きな仏花を持ち、先にお墓へ近付きました。ブロンズ像の横顔が見えました。しかし、まだお墓全体には近付いていませんので、花があるのかないのか分かりません。
新しく建立した「猪木家」のお墓の前に立ちました。驚きました。花があふれていました。
もう一度言います。「お花」とします。お花があふれていました。
私は何故かしら「ありがとうございます」と言いました。猪木のお墓に参っていただいた方へのお礼でしょうか。そして、右側に鎮座する猪木の顔を見ました。私の気持ち次第でしょうが、猪木の顔は前回よりも穏やかで、少し笑っているような気がしました。
「猪木さん、お待たせ。来ました」
猪木家のお墓の前の一対に私が持ってきた花を加えました。右横の慰霊塔の前にも花がありました。更に、2つの桶の中にもあふれるばかりの花が置いてありました。そこに啓介さんが桶に水を入れて到着しました。私は啓介さんに「花がいっぱいですね」と見れば分かるのに言ってしまいました。手を合わせて、短い言葉を交わしました。その後、左側にある記念碑に刻まれた「道」を声を出して読みました。
そこにいたのは5分程度でしょうか。私は啓介さんに「まぁまぁ男の墓参りはこんなもんだよ」と訳の分からない言葉をかけて、「じゃあ帰りましょう」とあっけないお墓参りでした。特別なお墓参りではなく、日常的なお墓参りの様な気分です。
猪木のブロンズ像に向かって「じゃあまた来るわ、猪木さん」と言いました。そうすると、また寂しそうな顔になっていました。私は少し非情な気持ちで「そんな顔しても、関係ないですよ」と言い、「また来ます」と答えました。
外部から見ていると、完全に「おかしなおっさん」です。――――――「本当に墓場に似合わない猪木です」(墓場に似合う人などいるのでしょうか)
次回、1月10日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)
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