昨年の12月28日。総持寺から「実はコロナ期間には行っていなかった節分の豆まきを4年ぶりに行いたい」と連絡がありました。
「かつて總持寺には故石原裕次郎さんのお墓もあり、その関係から石原軍団も参加していた。石原プロとしては33回忌以降は辞退され、石原軍団も解散している。2月3日ですがどうでしょうか」との事でした。
そう言えば、私もテレビやスポーツ新聞等で渡哲也さんをはじめ、そうそうたるスターが羽織袴で豆まきをしている新聞記事や映像を見た事があります。
「猪木元気工場」の青木社長からそのような節分イベントに参加できないか、という總持寺からの連絡を聞きました。私は即座に「猪木さんの供養になるなら是非ともこの話を受ける方向で動いてはどうでしょうか」と伝えました。
私はすぐに、新日本プロレスの菅林会長に連絡したところ「参加人数と条件」を聞かれましたので、12月30日の猪木家の墓参の折にお寺の事務所に寄って確認したところ「担当者がいない」との事で、参加人数の確認はできませんでした。私は受付された僧侶に「猪木の供養になるならば、やる方向で年明けに動きます」と答えました。
後日、お寺から電話があり「選手の皆さんのスケジュールが合わなければ猪木さんと関わりがある方で、例えばアントキの猪木やアントニオ小猪木さんでも参加してもらえないか」との事でした。
年が明けてから、菅林会長から連絡があり「2月3日は大会があるため、今回は参加できない」との回答でした。その時「力道山のお墓がある池上本門寺にて、たぶん毎年スポーツ紙主催の節分の豆まきがあるはず」との情報を教えてもらいました。早速、猪木と関わりのある藤波選手に連絡したところ「池上本門寺の豆まきのスケジュールが既に入っている」との返事でした。決まったスケジュールを変えるわけにはいきません。次に藤原喜明組長に連絡したところ、あるお寺の節分の豆まきが既に入っている、との事です。私は少し慌てました。
次に、武藤敬司さんに電話をしました。昨年1月に引退試合をしているので「元プロレスラー」です。私は内容を伝えず「2月3日の節分の日は空いていますか」と質問したところ、「確認する」との回答で脈があるな、と期待しました。既に池上本門寺の予約があれば、「スケジュールが入っている」となるのですが、これは入っていないと思い「總持寺の節分の豆まきに参加してもらえるか」と質問しました。「実は池上本門寺から豆まきの話はあったが、私の体調で断った」との返事に、私は「スケジュールは空いている」と思いました。武藤さんは「実は池上本門寺には毎年スケジュールが合えば参加していたのだが、今回断ったのは、足腰が豆まきするのに維持が出来ない」と言いましたが、私は「大丈夫」といつもの強引さで参加を促しました。武藤さんは「池上本門寺を断って、総持寺に出ることは主催者の新聞社からも問題が出る」と懸念していました。「後からマネージャーに連絡をさせる」との返事でした。その理由はよく理解できます。私に断ることもできず、とは言っても池上本門寺を断りながら、總持寺に参加する事は主催者側のスポーツ新聞にも不義理をしたことになります。勿論、選手達にとっても大事なスポーツ新聞社との関係もあり、「池上本門寺の豆まき」が「總持寺での節分参加」になることは容易ではありません。数十分してから、武藤敬司のマネージャーから連絡があり、私も「總持寺不参加」の回答を受け入れました。これ以上、武藤さんを困らせることはできません。
いずれにしても、藤波さん・藤原さん・武藤さんに断られたので、あらかじめお願いしていたアントキの猪木さんとアントニオ小猪木さんだけが参加する事を總持寺に伝えました。總持寺側も「猪木元気工場」に連絡する事が遅くなり、選手・元選手参加ゼロのやむを得ない回答に理解されました。「参加人数は2名」「アントキの猪木・アントニオ小猪木」がお寺側のリクエストなので、これでこの問題は「一件落着」となりました。しかし、来年からも「猪木の供養の節分豆まき」にこのような形が続くなら、猪木に申し訳ない気持ちになりました。決して池上本門寺の豆まきにプロレスラーが参加する事を否定しているのではありません。もう少し踏み込んで言えば、スポーツ紙が2つのお寺にて主催してくれればいいわけです。そこで、私はそのスポーツ紙の顔なじみの記者に「貴社の豆まき担当の管理職に会わせてほしい」と面談依頼をしました。その結果、私のスケジュールもあり、節分を終えた2月以降に具体的な面談日を決める事にしました。
アントキの猪木やアントニオ小猪木さんが役者不足と言っているのではありません。ここで、NOAH選手・全日本選手ら両団体の所属選手及び経営陣に連絡しようと思えば可能でしたが止めました。
理由は、やはり猪木との関わりです。新日本プロレス選手が参加した上で、他の団体選手が参加するならば何の問題もありません。
今まで私の頭の中に「総持寺の節分豆まき」など、頭の隅にもなかったわけですが、急にこだわるようになりました。
時間が迫っていましたが、節分の日まであと3週間近くあります。本当に選手関係者が登場しなくてもいいのか、と「一件落着」にも関わらず考え込んでしまいました。それもこれも私がお寺に伝えた「猪木の供養になるならば」の自らの発言にこだわっていました。
次回、1月25日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)
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