第110回  猪木磁場の「同窓会」

20日10時30分ちょうどに、私は京王百貨店新宿店に到着していました。
翌日21日から海外出張の為、スケジュールの関係上「超猪木展」を見る事を諦めていましたが、なんとか20日午前中のアポの調整ができたので、急遽「超猪木展」に行ける事になりました。百貨店1階玄関口にて、いきなり「アントニオ猪木」人形が迎えてくれます。1階売場はほとんど化粧品売場ですが、そこに「猪木人形」が場違いながら立っています。百貨店側の熱意を感じます。私は心持ち「ありがとうございます」と頭を下げて、写真を1枚撮りました。横にはポスターが置かれ、「7階催事売場に超猪木展」と書かれていました。
私はエレベーターを探そうと思いましたが、近くにエスカレーターがあったのでそれに乗って7階会場に向かいました。ベタな話ですが「迷わず行けよ行けば7階に行けるさ」と心で思いながら、2階・3階と上がって行きます。4階辺りで私の前に60歳前後の女性がずっといる事に気が付きました。「まさか、7階まで行くのではないだろう」と思っていましたが、とうとう7階まで「一緒」に乗っていくではありませんか。次に「まさか、猪木展示会まで行くのではないだろう」と思っていたところ、そのまさかが現実となりました。その女性の後をついて行くと、その先に「猪木」の大きなパネルが見えてきました。

着いて驚いた事に、会場は一杯の人だかりです。入口辺りにて猪木の実弟の啓介さんと会い、久しぶりの挨拶をしました。すると、次々と知り合いの人達や日頃お世話になっているスポーツ紙記者の人達とも挨拶を交わす事になりました。何か「猪木同窓会」のような雰囲気だな、と思いました。「超猪木展」の担当者である「猪木元気工場」の宇田川役員が挨拶に来られたので、「すごいね」と言ったところ「開店前からお客様が並んで待っていてくれた」との事です。私は、改めて本日20日の曜日を確認しました。「6月20日木曜日」、まさに平日の午前10時40分です。
改めて猪木の凄さを知りました。入口からふと見ると、ステージがあり、その前が人だかりです。宇田川役員に確認すると「この後、佐々木健介・北斗晶と獣神サンダー・ライガーのオープニングセレモニーがある」と言うので、ゲストの控室に行く事になりました。ゲスト控室には、アントキの猪木やアントニオ小猪木さんらもいて、挨拶を交わしました。ゲストの佐々木健介・北斗晶さんや40年以上付き合っている獣神サンダー・ライガーと会話をしていると、私がここに滞在する予定の30分が過ぎている事に気が付きました。慌てて次のアポに向かわなければなりません。そこで私は「では、失礼します」と言うと、ゲストの人達も「え、もう帰るのですか」となり、結局「超猪木展」は入口のところを見ただけで、全体を見る事はできなくなりました。でも、その空気に触れた事は大変良かったです。

帰り際、途中まで送ってくれた宇田川役員に「みな生き生きしているね」と言うと、彼は「久しぶりの猪木会長を中心としたイベントなので、ファンの方々も顔見知りが多く、同窓会のようなところがあります」と返事が返ってきました。私が展示会の入口で「同窓会のようだな」と思った事と奇しくも同じ言葉が出たので、まさに猪木を中心とした同窓会的空気感を感じました。
百貨店関係者用のエレベーターに乗る際、「猪木闘魂トレイン」の話も出ました。その時、京王グループ関係者の方に向かって、私が「京王電鉄はこのような企画はよくするのですか」ときくと「時々ありますが、ほとんどがアニメ系です。今回の猪木闘魂トレインは格別な企画です」との回答に、私は何故かしら嬉しくなりました。

わずか30分の滞在でしたが、東京駅に向かう電車の中で、改めて「アントニオ猪木」が持つ人々を引き寄せる磁力の凄さを確認しました。―――― 「猪木の元気磁場は健在だ。凄い」

でも、その猪木はもういません。

【追記】
早速「超猪木展」に行かれた読者の方々から、報告をたくさんいただいています。時間の関係上、その1つ1つに返事ができない事に大変申し訳なく思います。
いつも読んでいただき、また内容に恐縮しています。その1つを転載します。

ご多忙の中、更新ありがとうございます。
本日、超猪木展訪問してきました。
買い物も高額になってしまいましたが、このような催しを開催してもらい、関係者の皆さんに感謝します。
チャンピオンベルトとガウンが無いのが残念ですが、あと数回お邪魔しようと思います。
出張闘道館の展示品で、先日の品とは別の私用スーツが売りに出されてました。闘道館は何も悪くないですが、横浜猪木展で展示されたIWGPガウン同様、持ち込んで換金した人がいるのでしょう。
不謹慎な例えですが、猪木さんと奥様の死が逆だったらと思うと、前の管理会社が継続してたら、このように猪木さんに会える機会もなかったのかなと。
猪木さんの名前を風化させない為にも元気工場には頑張ってもらえればと思います。
陰ながら応援させていただきます。
乱文失礼しました
(原文のまま)

次回、7月1日に掲載予定です。
(「天国の猪木へ」は不定期掲載です)

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